色々お話置き場

ドラクエ10、ゼルダ、ポケモン

ポケモンスリープ「返事はッ!?」

「フレンド?」

「レポートを博士に送った時にフレンドにもポケモンの寝顔の写真と飴が送られるんだぜ。親密度ってのもあってそれが高くなるとアイテムが貰えたりとか。この先のアップデートで色々他にもお得になるって噂もある。みずき、オレとフレンドになろうぜ!」

 よし君と私が……フ、フレンド!?

「嫌なのか!?でもマジ良い事しかねえから!悪い事なんにもねえから!」

「嫌じゃないよ!い、良いよ」

「よっしゃーッ!!!じゃあほらここにリサーチャーコードってのがあるから……」

 こうしてみっちゃんとよし君はフレンドになった。

 

※ ※ ※

 

「これで良し、と」

 みっちゃんはゼニガメの写真と共に博士へレポートを送った。これで同時によし君の元にもゼニガメの写真とゼニガメの飴が届いてる……はずだ。

 みっちゃんが調べた所、送る飴は人気のポケモンのものにした方が喜ばれるらしく、なるべく御三家と呼ばれるポケモンピカチュウなどにした方が良いようだ。

 逆にウソハチは駄目らしい。どこかで大量発生しているので疎ましがられているのだとか。みっちゃんはまだその現場で調査をした事が無いのでよく分からないが。

 これが「正解」のはずだけど、よし君からは写真と飴が滅多に来ないから「答え合わせ」が出来ずにいた。

 よし君からはフレンド登録した5日後にオコリザルの写真とマンキーの飴が届いて、その2日後にマンキーの写真と飴が届いた。

 それからまた数週間空いてエーフィ、その4日後にガルーラ。

 その後数カ月後にアップデートで新しいポケモンが追加された頃にスターミー。その翌日にキャタピーの写真と飴が届いた。

 そして。

「今日はダグトリオ……」

 エーフィはイーブイの飴だから喜ばれるけどそれ以外は……。よし君はあまり気にしないで送ってるのかな?それとも私が知らない攻略情報なの……?それに何でこんなに稀にしか送って来ないの?何かすごい厳選しててウソハチにしか遭遇しなくて悪いから送らないとか?そんな事ある?数カ月もずっと?それかもう調査飽きちゃったとか?

ニャース……分かんないよ。私、また間違えてるのかな」

 憂鬱そうな顔でみっちゃんはニャースを抱っこした。

 そう、よし君とフレンドになってからレポートを送る度、そしてよし君から写真と飴が届く度みっちゃんはこういう顔になる。それも日に日に憂いが濃くなっているような気がする。

 「にゃあん……」

 ニャースはご主人様を元気づけてあげたかったけれど、恐らくそれはあの人にしか出来ない事なのだ。

 

 それから1週間後。

 「あの人」がみっちゃんのテントにやって来た。

「おい、みずき!返事はッ!?」

 怒ったような顔でよし君がみっちゃんを睨んでいる。

 「え!?何?何の?!」

「オレからの写真と飴、7つ届いただろ!?まさか、気付かなかったのか!?」

「届いたけど……本当に何!?ごめん、本当に私分かんないよ」

 よし君の責めるような言葉と態度にみっちゃんは訳も分からず泣きそうになっている。

「うわ、泣くな!クソッ、じゃあ説明するからオレの写真貸せ!」

 みっちゃんから写真を受け取るとよし君は1枚写真を指差した。

「こいつは何?」

オコリザル……?」

「だろ!?じゃあこいつは?」

 よし君は別の写真を指差す。

マンキー?」

 よし君は頷いた。

「こいつは?」

「エーフィ?」

「そう!こいつの写真撮るの超大変だったんだぞ!!……次」

「ガルーラ」

「次」

「スターミー」

「こいつなんかアップデートで新しいポケモンが追加されるのを何カ月も待ったんだぜ!次!」

キャタピー

「最後」

ダグトリオ

「……で?」

「で?」

「オレに言う事は?」

「?????」

「まだ分かんないの!?鈍い!あ〜もう、今の順番でポケモンの頭の文字繋げて読め!」

「オ、マ、エ、ガ、ス、キャ、ダ」

キャタピーはキだ!!」

「オ、マ、エ、ガ、ス、キ、ダ。お前が好きだッ!?!?!?はっ?え?」

「みずきの事が好きだって言ってんの!で?お前はどうなん!?」

「私!?私は好きです…………。よし君の事が好きです…………」

「なんで泣くんだよお!?」

「よし君の馬鹿っ」

「好きな奴に馬鹿って言う!?お前本当にオレの事好きなん?お前訳分かんねえ」

「よし君はっ!女の子の事全ッ然分かってない。もっと勉強して!」

「はあ〜〜〜?や、分かった、分かったから、勉強するからもう泣くなよー!!」

 

 テントの陰から2人の成り行きを見守っていたみっちゃんのニャースとよし君のカメックスは安堵の溜息をついた。

「本当にエーフィの写真を撮るのは諦めかけたし、『ス』のポケモンがいないから開発宛に手紙まで書いてお願いしたんだ」

「みっちゃんはまたよしくんにまちがってるっていわれたらどうしようってずっとふあんそうにしていたにゃ」

「…………」

 ニャースカメックスはしばし見つめ合った。

「俺達で主同士の情報交換しないか?」

「いいあんだにゃ」